「地球を使いこなすセンス」う~ん、深いなぁ

俺はいわゆるファーストガンダム世代、
個人的にはZ(セカンド世代)のどろどろさも好きだけどやはり一作目というのは映画に限らず良いものだと無理矢理言ってしまおう。(もちろん一部例外はあるとおもっているが)
そして漫画で育った年代でもある。
以前、読んだ本で”「世界征服」は可能か? “とか”2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する! “などがあるが、漫画のネタを突き詰めて議論したり、現実と照らし実証したりするのは面白い。
科学は想像力の賜物と感じるが、映画やアニメ、漫画には空想の世界があり発想を豊かにする、インスピレーションを与える種があると思う。
もちろん童話や小説にも存在するだろう。
自分にとっては映画や漫画、小説を読むのは頭を柔らかくし発想を鍛えることにもなるのだ。
そんな時にこの記事、
「地球を使いこなすセンス」が求められる工学
~「ガンダム」の富野由悠季監督らが東京大学で講演

面白い!

司会をつとめた東京大学工学部・広報室の内田麻理香特任教員は「中学生時代に(ガンダムシリーズの映画)『逆襲のシャア』を見てスペースコロニーを作りたいと思い、工学に進んだ」という。

オタクが事件を起こしている昨今引く方もいると思うが、「映画を観て」、「TVを観て」、「小説を読んで」などと置換して欲しい。

それは「リアルなシミュレーションを繰り返しているようなもの」であり、だんだん、コロニーのような構造では1,000年、2,000年単位で人が住むことはできない、と考えるに至ったという。外壁には放射線の遮蔽が必要だし、それを回転させて、遠心力で1Gの擬似重力を作らなくてはならない。おまけに中は空洞だ。「工学的に作れるならば作ってみせてください」と述べ、また「現実的に工学が進むべき問題は他にも山ほどあるのではないか」と呼びかけて議論の口火を切った。

最初は、「そんな馬鹿な」ということも実現することは過去にも例がたくさんあるだろう。
IRT研究機構」というのも初めて聞いたが、

なお「IRT」とは、「IT(情報技術)」と「RT(ロボット技術)」とを組み合わせた言葉である。

ということで良い視点だと思う。

 富野監督に言わせれば「ロボット工学やってる奴はバカだ」。なぜかというと、いまのロボット工学が目指しているのは人間がやっていることを機械で代替できるようにするもので、それは、人間に対して性能劣化していいといっているような工学であり、主張、思想概念だとも言えるという。

まぁそれは言い過ぎにしても、

 そして既にまだロボットが生活にはいってきてないのに、日本人も性能劣化しはじめているという。また、巨大ロボットアニメの演出をしていると、「あんな嫌な乗り物には乗りたくないよということが演出すればするほど分かってくる」のだそうだ。上下動が激しく、乗り物酔いどころではなくなることは自明だからだ。富野監督は「4輪車のほうがずっといい。ロボットの開発なんていうのはやめましょうよ」と語った。

こういうのは的を得ていると思う。車にしてももっと進化する余地(燃料問題やハイブリッド化、安全設計など)があるのはその通りだと思う。
ただそこにおもしろさを見いだせていない、伝えられていないのはあると思う。

 富野氏もモノを作ることの重要性を語った。秋葉原で部品を集めてそれを組むくらいでは「組み立てている」というレベルであって、それはものづくりではないという。「もっと原理的なところでものをつくってほしい」と力説した。ではやってないと工学部には行けないのかというと、やはりそうではないという。戦前戦中の人たちは「生きていることに対する切迫感」があったが、今の世代は既に父母からしてそのような生死の切迫感は持っていない。富野氏は「そういうメンタリティを持ってきた皆さんなんだから、東大に入ってからはんだごて持っても結構」だと語り、さらに日本の宇宙開発体制を批判した。「大人になってからの役目を認識できてない」ことが失敗の原因だという。

この「原理的なところでものを作って欲しい」「大人になってからの役割を認識できていない」というのは同感だなぁ。
ただお金のために、生活のためにではなく自分がどのようなことに興味を持ち、どのような進歩に貢献したいかというのをもっともっと多くの人が考えることができたら悲しい事件も事故も起きないんじゃないかな。
とにかくこういう議論がされていることを知っただけでも第1歩だろう。
これからもこうしたテーマは追いかけていきたいし参加していければと思う。